「FXで損切りが必要なことは分かるけど、具体的にはどこで損切りすればいいの?」
「損切りのルールを決める方法が分からない……」
など、FXで長期的に利益を出すためには早めの損切りが必要だと分かってはいるけど、その具体的な方法が分からずに途方に暮れていませんか?
FXトレーダーのブログやツイッターなどを見ていても、損切りの方法は誰もが違っているため、自分の場合はどうやって損切りすればいいのか分からなくなってしまいますよね。
今回は、「FXで利益を出すためにはどうして損切りが必要なのか?」という基本から始めて、初心者が今日から実践できる具体的な損切りルールについても解説していきます。
目次
FXで勝つために損切りが必要な理由
「FXで勝つためには損切りが必要」とよく言われていますが、「どうして損切りが必要なの?」ということを曖昧なまま理解していませんか?
FXで勝つために損切りが必要になる理由について抑えておきましょう。
損切りは長くトータルで勝つために必要になる
ズバリ、FXで損切りが必要になる理由は、長期的に利益を出し続けるために必要だからです。
どのような凄腕の投資家やトレーダーであろうと、投資に失敗はつきものです。
そもそも投資の世界では、勝率40%以上で「神」と言われるほどです。つまり、どれだけ凄い投資家やトレーダーであっても、60%以上は失敗することになります。
しかし、負けや失敗の方が多かったとしても、その失敗による損失を小さくすることができれば、長期的には大きく勝つことが可能になります。
投資においては、思い通りにいかないことの方が多くなることは避けられません。しかし、損切りを徹底して失敗による被害を小さくして、勝つときは大きく勝つことを心掛けることによって、トータルでは大きな利益を出すことが可能になるのです。
投資というゲームでは、「早めの損切りで小さく負ける」を徹底することによって、2勝8敗や3勝7敗であっても大きな利益を出すことができます。
例えば、10回の取引で2回しか勝てなかったとしても、損切りは-1%で傷が小さい内に行い、利益はとことんまで伸ばして5%以上で利食いすれば、トータルでは利益は+2%以上残ります(損失は-1%×8回=-8%、利益は+5%以上×2回=+10%より)。
FXで勝つとは、取引1回1回の勝ち負けではなく、このように長期的に利益を残すことを意味するのです。そして、長期的に勝つためには、小さく負ける=早めの損切りを徹底することが必要になります。
損切りをしないとどうなってしまう?
損切りの重要性を抑えておくためにも、損切りをしないと、最悪の場合にどういうことになってしまうのかを抑えておきましょう。
「FXで大損してしまった」「FXに失敗して借金(追証)を背負ってしまった」という話は、ネット上では一度や二度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
これらのケースを詳しく見てみると、その100%全てが損切りやレバレッジの掛け過ぎが原因であると分かります。
損切りしない場合には、ポジションと逆方向に価格が動いていったら、含み損がどんどん拡大していくことになってしまいます。
例えば、民主党政権末期の2012年9月には、1ドル=77円台前半の超円高となっていました。
もしも、この当時に、さらなる円高に賭けて、ドル円を売って損切りしないままだったとしたら、1ドル=100円台後半となっている現在はどうなっていたでしょうか?
レバレッジを大きく掛けていたら破産まで一直線であり、レバレッジを掛けていなかったとしても含み損を抱えたままの辛い状態になっていたわけです。
どれだけ凄い投資家やトレーダーであっても、投資に失敗して、価格が思い通りとは逆の方向に行くことはあります。投資において、一時的な失敗は絶対に避けることはできません。
しかし、損切りをすれば、一時的な失敗からやり直すことができるのです。
FXでの損切りの目安について解説
「じゃあ、FXでは具体的にどうやって損切りのルールを決めればいいの?」と思いますよね。
世界中の数多くの投資家やトレーダーが採用している損切りルールを抑えておきましょう。
損切りの目安は総資金の2%!
世界的な投資本の名著「タートル流投資の魔術」を始め、世界中のトレーダーが採用している絶対的な損切りのルールがあります。
それはズバリ、「1回の取引で総資金の2%以上の資金を失ってはいけない」というものです。
このルールは、資金管理における絶対的なルールとして知られており、このラインを超えてしまうと、途端に破産リスクが高まることで知られています。
時間軸が長い場合には、さらに大きなリスクを取っても構いませんが、サラリーマンが夜に副業として短期トレードをするような場合には、このルールを絶対に守ることが重要です。
つまり、損切りラインの目安としては、最大で「総資金の2%」となります。
例えば、自己資金が300万円の場合には損失額が-6万円になるライン、自己資金が500万円の場合には損失額が-10万円になるライン、自己資金が1,000万円の場合には損失額が-20万円になるラインが、それぞれ損切りの目安となります。
損切りラインに応じてレバレッジを調整しよう
FXの場合、為替市場では相場が2%以上動くようなことはほとんどないため、レバレッジを掛けた場合で損切りラインを考える必要があります。
自己資金が300万円の場合、損切りラインが最大でも-6万円に収まるようにレバレッジを掛けることが重要です。
例えば、ドル円を手掛けていて、現在1ドル=108円として、ここからドル高円安に傾くと思ったためドル円をロングすることにします。思惑とは逆に、1ドル=107円50銭になった所に損切りラインを設定するとします。
このときの損切り幅は50銭となるため、損失額が自己資金の2%となる-6万円となる12万通貨まで保有してもよくなります。これはレバレッジに換算すると約4.32倍です。
レバレッジを決めてから損切り幅を決めようとする人は多いですが、資金管理の観点から損切り幅を決めて、その結果としてレバレッジが決まるとすることがポイントです。
また、どれだけ資金管理の観点から問題がなくても、10倍を超えるレバレッジは掛けるべきではありません。
特に、毎月第一金曜日の夜に発表されるアメリカ雇用統計などの大イベントでは、損切りを設定したとしても大きく動いて機能しないことが多くなってしまいます。
FXでは、損切りはもちろん重要ですが、それと同時にレバレッジを掛け過ぎないこと、アメリカ雇用統計のようなビッグイベントでは損切りラインを大きく超えてしまう場合が多いことを認識しておくようにしましょう。
まとめ
今回は、「FXで利益を出すためにはどうして損切りが必要なの?」という基本から、初心者が今日から実践できる具体的な損切りルールについても解説してきました。
損を小さく利益を大きくすることを実践して長期間に渡ってトータルで勝つためには、早めの損切りが必要になってきます。
特に、FXで大きな損をしてしまった人に共通しているのが、レバレッジを掛け過ぎていてかつ損切りをしないことが挙げられます。
初心者から上級者まで全ての人におすすめの資金管理のルールとして「1回の取引で2%以上の資金を失わないようにする」というものがあります。損切りの目安はここから逆算的に算出可能です。
FXではレバレッジを決めてから損切りラインを決めるとする人が多いですが、プロの場合はこの逆です。資金管理の観点から損切りラインを決めて、その結果としてレバレッジが決まります。
損切りを徹底したとしても、毎月第一金曜日の夜に発表されるアメリカ雇用統計などの大イベントによる大変動では、損切りラインを超過して思わぬ損失となってしまうこともあるため注意が必要です。
FXの損切りは「総資金の2%」が目安だということを抑えた上で、自身の取引に活かしていくようにしましょう。