「FXのスワップポイントってなんだろう?」
「金利目的だと、FXと外貨預金のどちらがお得になるのかな?」
など、スワップポイントを目的としたFX取引に興味を持っていませんか?
FXというと、大きなレバレッジを掛けて短期的な利益を狙うというイメージを連想しますよね?
実は、FXは、アメリカドルやニュージーランドドル、南アフリカランドなどの高金利通貨を手掛けることで、手数料が掛からない外貨預金として活用することも可能です。
今回は、「そもそもスワップポイントって何だろう?」という基本的なことから解説した上で、おすすめの高金利通貨をご紹介していきます。
目次
そもそもスワップポイントとは?
“スワップポイント”とはあまり聞きなれない言葉であるため、「そもそもFX取引のスワップポイントってなんだろう?」と疑問に思ってしまいますよね。
ズバリ、スワップポイントとは、ある2国間の通貨を売買することによって生じる金利調整金のことです。
例えば、日本円の金利はほぼ0%だということは、銀行に預金をしても利息が全く付かないことからもよく知られていますよね。一方、アメリカドルの金利は2%前後となっています。また、ユーロも日本と同じくマイナス金利政策が実施されていることからゼロ金利です。
直近の2019年10月時点の政策金利を見てみると、日本円-0.10%、アメリカドル1.75%、ユーロ0.00%となっています。
さて、FXは通貨ペアを取引するものであるため、円とドル、ドルとユーロ、円とユーロといった金利が異なる2国間通貨を取り扱うことになります。
2通貨の金利調整金のために支払われる、もしくは支払うことになるものがスワップポイントです。
金利が高い方の通貨を買うとスワップポイントを貰うことができ、逆に金利が低い方の通貨を買うと、スワップポイントを支払う必要が生じてきます。
具体的に、ドル円の場合で考えてみましょう。
アメリカドルの方が日本円よりも金利が高いため、アメリカドルを買って円を売るとスワップポイントを貰うことができます。一方、日本円を買ってアメリカドルを売るとスワップポイントを逆に払うことになります。
慣れない内はややとっつきにくいかもしれませんが、スワップポイントとは「FXで高金利通貨を買うことで貰える金利調整金のこと」だと抑えておけば問題ありません。
スワップポイント投資をするメリット
「FXでスワップポイント(金利)を目的とした投資をするメリットはなんだろう?」と疑問に思いますよね?
実質的な金利であるスワップポイントを目的にFXをする最大のメリットは、実質的に手数料ゼロで外貨預金ができることにあります。
日本円で預金しても金利が全く付かないため、金利を目的として外貨預金投資をする人は少なくありません。しかし、銀行の外貨預金は“ぼったくり手数料”であることが知られています。
次の表は、大手FX会社「DMMFX」、大手都市銀行「りそな銀行」、大手ネット銀行の「住信SBIネット銀行」の3社について、外貨預金として人気のアメリカドルの手数料(スプレッド)を比較したものです。
アメリカドル手数料 | 1万通貨の手数料 | |
---|---|---|
DMM FX | 0.3銭 | 300円 |
りそな銀行 | 1円 | 1万円 |
住信SBIネット銀行 | 4銭 | 4,000円 |
例えば、1ドル=100円のときにアメリカドルを100万円分(1万通貨)購入したときの手数料は、「DMMFX」は300円、「りそな銀行」は1万円、「住信SBIネット銀行」は4,000円となります。
金利目的で資産運用するとしたら、銀行の外貨預金ではなく、FXでスワップポイント投資をした方が合理的である理由は一目瞭然かと思います。
代表的な高金利通貨をご紹介!
「FXでスワップポイントたくさん貰える高金利通貨はどれなんだろう?」という疑問を解消していきましょう。代表的な高金利通貨を表にすると次のようになります。
政策金利(2019年10月) | 暴落リスク | |
---|---|---|
アメリカドル | 1.75% | 低い |
ニュージーランドドル | 1.00% | 低い |
オーストラリアドル | 0.75% | 低い |
南アフリカランド | 6.50% | 高い |
トルコリラ | 14.00% | 非常に高い |
それぞれの高金利通貨の特徴について抑えていきましょう。
アメリカドル(米ドル)
アメリカドル(米ドル)は、説明不要の世界最強通貨です。通貨としての安全性はもちろん、約2%の金利が付く高金利通貨ともなっています。
短期的なFXトレードにおいても超人気通貨となっていますが、スワップポイント目的の長期投資でも最も人気のある通貨です。
ニュージーランドドル(NZドル)
ニュージーランドドル(NZドル)は、ニュージーランドが発行する通貨です。ニュージーランドは資源国であり、高金利通貨としても人気となっています。
オーストラリアドルと強い相関関係がある値動きをすることが特徴です。
オーストラリアドル(豪ドル)
オーストラリアドル(豪ドル)は、ニュージーランドドルと並んで人気の先進国・高金利通貨です。
資源国であるオーストラリアの通貨であるため、商品相場の影響を受けやすいことが特徴となっています。
南アフリカランド
南アフリカランド(南アランド)は、ハイリスク・ハイリターンの高金利通貨として知られています。
2019年10月時点の政策金利は、アメリカドル1.75%、ニュージーランドドル1.00%、オーストラリアドル0.75%となっている一方で、南アフリカランドの政策金利は6.50%です。
アメリカドルの約4倍もの高金利であるため多くのスワップポイントを貰うことが可能ですが、通貨そのものの価値が暴落するリスクも大きいことには注意が必要となります。
トルコリラ
トルコリラは、2019年現在、最もリスクが大きい高金利通貨となっています。
トルコは通貨危機に揺れており、2019年10月時点の政策金利は14.00%となっています。しかし、トルコリラは暴落中であり、いつまた通貨価格が暴落しても不思議ではありません。
「14%の金利が付くなら、ハイリスクでも手を出すのもアリなんじゃ……」と思ってしまうかもしれません。しかし、トルコリラ円は、この5年間で通貨価値が3分の1にまで大暴落しています。
例えば、100万円分のトルコリラ円を買っていたとしましょう。1年間に14万円のスワップポイントを貰えたとしても、トルコリラ円が再び暴落して半値になってしまったら元金は50万円まで目減りしてしまいます。これでは元も子もありません。
高金利で多くのスワップポイントが貰えるとしても、初心者はハイリスク通貨には下手に手を出さないことが賢明です。
スワップポイント投資をするときの注意点
スワップポイントを目的にFX取引をするときの注意点を抑えておきましょう。
受け取れるスワップポイントはFX会社によって異なる
同じ通貨ペアを手掛けるとしても、受け取れるスワップポイントはFX会社によってそれぞれ異なることには注意が必要です。
また、スワップポイントは日々変動しているため、一概にどのFX会社が良いと言うことはできません。
各FX会社は、アメリカドルのスワップポイントに強い会社、NZドル・豪ドルに強い会社、南アフリカランドなどの途上国通貨に強い会社などさまざまです。
自分自身が投資したい高金利通貨を決めた上で、その通貨からより多くのスワップポイントを受け取れるFX会社を調べて使うようにしましょう。
高金利通貨を手掛ける際にはカントリーリスクに要注意!
スワップポイント目的でFXをする場合には、「カントリーリスク」について抑えておく必要があります。
「カントリーリスク」とは、ある国に投資する場合において、その国が持つ政治・経済的なリスクのことです。
先進国であればカントリーリスクは小さくなり、途上国であればカントリーリスクは大きくなります。
具体的な通貨で見てみると、アメリカ・ニュージランド・オーストラリアといった先進国のカントリーリスクは小さく、南アフリカ・トルコのカントリーリスクは大きくなります。
南アフリカランド、トルコリラは高金利通貨となっていますが、カントリーリスクが高いため、初心者にとってはあまりおすすめできる通貨ではありません。
まとめ
今回は、FXのスワップポイントについて解説してきました。
スワップポイントとは金利調整金のことであり、高金利通貨を買えばスワップポイントが貰えますが、逆に低金利通貨を買えばスワップポイントを払わなければいけません。
スワップポイントを目的にFXをする最大のメリットは、外貨預金による資産運用をほぼ手数料なしでできる点が挙げられます。
スワップポイントが多く貰える高金利通貨としては、アメリカドルやニュージーランドドル、南アフリカランドなどがあります。
ただ、南アフリカランドやトルコリラのような途上国通貨はカントリーリスクが高いため、投資初心者にはおすすめできません。
投資初心者は、アメリカドルで手堅く確実にスワップポイントを貰いながら資産形成することをおすすめします。
スワップポイントについて理解して、FXで資産運用をしていきましょう!