就職や転職、結婚を考えるときなどに、年収や学歴を考えることはありませんか?
「この会社はこの学歴で入れるのかな?」
「この会社はお給料は多いのかな?年収はどれくらいだろう」
「この人の年収はどれくらいだろう?結婚できるかな?」
「低学歴だとやっぱり低収入になるのかな」
などなど、生活していく中でなにかと学歴や年収を考えるきっかけは多いですよね。
今回は、そんな気になる「低年収と低学歴」の関係性について調べてみました。
この記事では「低年収だと、必ず将来こうなる」と断言するものではなく、「こうなりやすい、こういう傾向がある」というものです。ですので、結果にショックを受けることなく「こういう結果も出ているんだ」、という参考にしていただければと思います。
目次
そもそも低年収とは?
低年収とは、どのくらいの年収を指すのでしょうか?
一般的には「年収300万円以下の人」を指すことが多いです。手取りだと200万円~250万円くらいです。
ただし、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、世帯所得200万円未満の世帯を低所得層としていたり、市町村民税非課税者が低所得者であるとする定義もあるので、一概に「年収〇万円以下が低年収である」と決めることはできません。
低年収の割合はどれくらい?
世の中の働いている人の中で、低年収の人はどれくらいいるのでしょうか。もし年収300万円以下の人を低年収だと仮定すると、実は全体の4割もの人が当てはまるのです。しかも、この割合は年々増えています。
なぜ年収300万円以下の割合が増え続けていくのかというと、
- 正社員の減少
- パート、アルバイト、非正規社員の増加
- 高齢化社会で、最も収入が多い40代や50代が減少している
などが原因と考えられます。
低学歴のラインとは?
では、低学歴の定義とは何なのでしょう?これも、「ここの学校以下は低学歴」という決まりはありません。ですが、一般的には「中卒」や「高卒」を指すことが多いです。
しかし最近では「大卒」でも低学歴になる場合もあります。「え!大卒なのに?」と思った方もいらっしゃると思います。確かに大卒でも低学歴扱いされるのは最近の出来事なので、驚かれる方もいらっしゃると思います。
どういう大学が低学歴扱いされるかというと、いわゆる「Fランク大学」と呼ばれる大学を卒業した場合です。
Fランク大学とは大学の入試レベルがborder Freeであるということを指しており、このFreeのFの頭文字をとってFランクと呼ばれています。具体的には、「学部または学科の入試倍率が1.2倍以下」である場合が当てはまります。
「私の大学はFランなのかな?」「どの大学がFランなの?」と思われた方は、インターネット上で検索してみてください。年度ごとに最新のFラン大学がまとめてあります。ですが、「Fラン大学だから、どうなる」というわけではないので、あくまで参考程度にみてください。
低年収と低学歴は関係しているの?
この記事の本題である、低年収と低学歴の関係について解説していきます。
具体的なイメージが付くように、厚生労働省が毎年調査・公開している「平成30年度賃金構造基本統計調査」の数値を用いて説明いたします。
学歴別にみた年収
学歴別に賃金をみると、以下のような結果になりました。
<男性>
- 大学、大学院卒 400.5千円(前年比0.7%増)
- 高専、短大卒 313.8千円(同0.9%増)
- 高校卒 291.6千円(同0.3%増)
<女性>
- 大学院卒 290.1千円(同0.5%減)
- 高専、短大卒 258.2千円(同1.3%増)
- 高校卒 212.9千円(同0.9%増)
男女ともに大学・大学院卒の年収が一番高いですね。このことから、学歴が高いほうが高収入であることがわかります。
そのほかに、この結果から意外と男性と女性の年収に差があるのが分かりますね。「男性のほうが年収いいんだろうなぁ・・・」と漠然と思っていたら、結構差があって驚きませんでしたか?やはり男性のほうが重要なポストに就くことが多いので、年収も高くなる傾向があります。
学歴別にみた初任給
では次は、性別ごとの学歴別にみた初任給を確認してみましょう。
<男性>
- 大学院修士課程修了 239.9千円(対前年増減率 2.7%)
- 大学卒 210.1千円(対前年増減率 1.1%)
- 高専・短大卒 182.9千円(対前年増減率 1.3%)
- 高校卒 166.6千円(対前年増減率 1.5%)
<女性>
- 大学院修士課程修了 234.2千円(対前年増減率 0.8%)
- 大学卒 202.6千円(対前年増減率 -0.7%)
- 高専・短大卒 180.4千円(対前年増減率 1.1%)
- 高校卒 162.3千円(対前年増減率 2.5%)
女性の大学卒を除いたすべての学歴で、前年を上回る結果が出ているのはすごいですね!近年「不況」というワードをよく耳にしますが、数値で確認してみると初任給に関しては影響を受けていません。
また、初任給に関しては男女間にあまり差がないように感じます。先ほどの年収では男女間の差があったので、初任給後の給与の上がり方に違いがあることも、この数値から読み取れます。
そしてやはり、高学歴になればなるほど初任給が高いことが分かります。つまり、学歴が高いほど初任給という最初のスタート地点からもらえる金額が大きく、いわゆる「低学歴」と差が開いています。
「高学歴底辺」とは?!高学歴でも将来が約束されてるわけではない
ここまで記事を読むと、
「低学歴だと低収入になる」
「高学歴の人には一生かなわない」
「就職後のスタート地点から差があり、悲しくなる」
など「高学歴の人が圧倒的有利」というイメージお持つ方もいらっしゃると思います。
ですが、世の中そう簡単にはいきません。高学歴な人でも、その将来は絶対のものではないですし、「自分は低学歴だ」と思っている方が年収を逆転することだって多々あります。
現に、最近になって「高学歴底辺」という言葉も生まれました。いわゆる、「高学歴なのに非正規雇用で低収入な人」のことを指します。
なぜ「高学歴底辺」と言われる状態になってしまったかというと、
- 就職を目指すもコミュニケーションがとれず就職浪人となった
- 大手にしか就職希望を出しておらず、気づけば全て落ちていた
- 高学歴なのに、それを活かす職に就いていない・就けなかった
- 高学歴だからこそ、忙しい部署に配置され精神を病んで退職してしまった
- 就職や転職を目指すも、「自分は高学歴である」という変なプライドが邪魔をして身動きが取れなくなっている
など、「高学歴」ゆえの理由で、低収入になっているのです。
中でも最後の『「自分は高学歴である」という変なプライドが邪魔をして身動きが取れなくなっている』というのは顕著な理由といえます。
他人からしてみれば「高学歴なんだから、仕事なんて選ばなければいくらでもあるでしょ」と思いますが、当人たちにはどこか「自分は高学歴である」「下手な職業に就きたくない」「自分ならもっといいところに就職できるはず」という思いがあり、就職浪人になってしまっているのが現状です。
高学歴だからといって、すべての人が順風満帆に行くわけではないのです。
まとめ
学歴別の初任給や年収から分かるように、「低年収と低学歴の関係性はある」といえます。ですが、それは絶対ではありません。確かにスタート地点では差はありますが、その人の努力次第でどうとでもなります。また、高学歴だからゆえに悩み、低収入になることもあります。
全ては自分の頑張り・努力次第なので、学歴だけにとらわれる必要はありません。
「低学歴だから」と悩むことなく、ぜひこれからの人生をよりよくするために、さまざまなことに前向きに取り組んでいきましょう!