- IPOってよく聞くけど何のこと?
- IPO投資は簡単でおすすめってホント?
- IPO投資で抽選があるってどういうこと?
この記事では上記のような疑問にわかりやすく回答します!
IPOの説明から公募価格と初値の違い、IPO投資のメリットや注意点までをわかりやすくご紹介します。
読み終えると、IPO投資の魅力がわかり、投資方法の選択肢が一つ増えるでしょう。
ぜひご覧ください!
目次
IPOとは未上場会社が株式公開すること
IPOとは「Initial Public Offering」の略称です。
「株式公開」や「新規株式公開」とも呼ばれるもので、未上場会社が株式を証券取引所に上場させ、株式市場において一般の投資家による売買を可能にすることを指します。
注意したい点は、未上場の株式会社でも株式を発行しているということです。
上場していない場合は、会社のオーナーやその親族などの特定少数の株主のみが株式を持っているのです。
ここから、二種類のIPOを考えることができます。
一つ目は「売出し」といい、上場前に特定少数の株主が所有していた株式を株式市場で公開するという意味でのIPOです。
二つ目は「公募(増資)」といい、株式市場で資金調達をするために新たに株券を発行して公開するという意味でのIPOです。
公募価格と初値の違いは株価決定が上場前か後か
IPOを行う会社の株式には株式公開の前に「公募価格(公開価格)」という値段がつけられます。これはIPOの際に、投資家がその株式を購入する価格のことです。
ここで、どのようにして公募価格が決まるかを簡単に説明します。
まず、IPOを行う会社とそのIPOを担当する証券会社が、機関投資家の意見も聞きながら、価格の仮条件を決めます。
次に「ブックビルディング方式」によってIPO株を購入したい投資家の意見が反映され、公募価格が決定するのです。
「ブックビルディング方式」とは、投資家がそのIPO株を何円で何株購入したいかを申告する方式のことです。
公募価格の仮条件というのはいくらか値段に幅をもって設定されるため、ブックビルディングによって公募価格が定まります。
また、公募価格と似て非なるものとして、「初値(はつね)」と呼ばれる価格があります。
初値とは、IPOによって上場した初日のはじめにつけられる株価のことです。
つまり、公募価格は上場前に、IPOを行う会社と証券会社、IPO株を購入する投資家が決めた株価である一方、初値は上場後に、株式市場で売買したい投資家によって決められた株価なのです。
IPO投資のメリット
次に、IPO投資をご紹介します。IPO投資とは、一般には公募価格でIPO株を買い、初値で売ってその差額を得るという投資方法のことです。
投資初心者にも適していて近年人気が高まっている投資方法ですので、ぜひ参考にしてください。
IPO投資は利益が出やすく比較的ローリスク
IPO投資のメリットの一つ目は、他の投資方法に比べてリスクが少なく、利益が出やすいという点にあります。
なぜかというと、先ほど「一般的には公募価格でIPO株を買い、初値で売ってその差額を得る」と説明しましたが、公募価格は売れ残りが出ないように低めに設定されることが多いからです。
言い換えれば、初値が公募価格を上回ることが多いということになります。
実際、2019年は86社がIPOを行いましたが、そのうち76社(88%)のIPOで初値が公募価格を上回りました。
ちなみに、2018年はIPO上場社数の89%、2017年は91%で初値が公募価格を上回る結果となっています。
また、2019年の騰落率は82.12%。つまり、平均するとIPO株の初値は公募価格の1.82倍になったというデータがあるのです。
IPO投資はシンプルで簡単
IPO投資は利益が出やすいということがおわかりいただけたと思います。
では、その分複雑で面倒な手順を踏まないとIPO投資ができないのかというと、そのようなこともありません。
IPO投資をするための手順は以下の通りです。
- 証券口座を開設する
- IPOを行う銘柄情報をチェックする
- 抽選に応募する
- 当選した場合は購入する
ここで「抽選」という言葉が初めて登場したため驚いた方がいるかもしれません。
IPO投資は比較的利益を得やすい投資なので、かなりの数の投資家がIPO株を公募価格で購入したいと考えます。ですので、実際に公募価格で購入できるのは抽選で当選した投資家のみなのです。
この点がIPO投資における大きな注意点ですから、のちほどわかりやすくご説明します。
とはいえ、必要なことは口座開設と抽選への応募程度なので、IPO投資はシンプルで簡単だといえるでしょう。
IPO株の買い付けに手数料は不要
IPO投資が投資初心者にも手が出しやすい理由の一つに、公募価格でIPO株を購入する際に手数料が一切かからないということが挙げられます。
通常の株主売買には売買手数料がかかるので、それに比べてもコストが抑えられるのです。
ただし、IPO株を初値で売る際には通常通り、売買手数料がかかります。
IPO投資の注意点
IPO投資をするためには抽選で当選しなければなりません。株式投資において抽選という制度はなじみ薄いものですので、あらかじめよく理解しておく必要があります。
IPO投資は抽選
具体的な注意点は二つあります。
まずはブックビルディング方式についてです。
以前に投資家がそのIPO株を何円で何株購入したいかを申告する方式であると紹介しました。
投資家としてはもちろん、IPO株を仮条件のなかでできるだけ安く買いたいわけです。
しかし最近では、IPO投資がメジャーとなってきたため需要が多く、公募価格が仮条件の上限の価格になることが多いのです。
よって、公募で当選するために仮条件の上限の価格を申告する投資家が増えています。
次の注意点は、IPOにおける抽選は完全平等とは限らないということです。
抽選方式はIPO投資をを申し込む証券会社によって異なります。
完全平等の抽選もあれば、その証券会社を介した取引回数や、口座内の資金量によって優遇されるような抽選方式を用いている証券会社もあります。
ただし、投資初心者が優遇される抽選方式はまずありませんので、完全平等の抽選方式を採用している証券会社を選ぶことをおすすめします。
では、抽選で当選すれば安心かというとそうではありません。
最後に注意するべき点は、公募価格で購入したIPO株が必ずしも初値で売却できるとは限らないということです。
初値で売却できない理由として、その株の人気がなく買い手が見つからないことも考えられますが、逆に買い注文が殺到してなかなか値が付かないこともあります。
ですので、IPO株を購入した後も注意が必要なのです。
IPO株の探し方のコツ
9割近くのIPO株の初値が公募価格を上回るといっても、確実に上回って利益がでるとはいえません。そのため、応募するIPO株の見極めが必要になります。
初値が公募価格を上回る、つまり将来の業績と成長が期待される会社かどうかを考える際に参考になるのが目論見書(もくろみしょ)です。
目論見書とは、IPOの抽選への応募時または当選後に証券会社から内容の確認が要求される、IPOを行う会社の業績等が載っているものです。
一概にはいえないのですが、直近の業績が赤字で今後の業績回復への対策がわかりづらい会社には応募を控えたほうが良いでしょう。
また、どのような会社がいつIPOを行う予定なのかを知る方法として、IPOカレンダーを利用するという方法があります。
インターネット上にはIPOのスケジュールを紹介しているサイトがいくつかあるので、わかりやすいと思うサイトを参考にしてみてください。
例:IPOスケジュール – やさしいIPO株のはじめ方
IPOの予定カレンダー | 庶民のIPO
まとめ
本記事の要点は以下のようになります。
- IPOとは未上場会社が証券取引所で株式公開をすること
- 公募価格は上場前、初値は上場後に決まる株価
- 9割程度のIPO株は公募価格<初値
- IPO投資のためには抽選で当選しなければならない
- IPOカレンダーや目論見書は要チェック
IPO投資は比較的ローリスクで利益が出やすいため、投資初心者にもおすすめです。
通常の株式投資と異なる点は多いですが、本記事で重要な点はご紹介しましたので参考にしてください。
興味を持たれた方は、今後どのようなIPOが行われるかのチェックや、証券口座の開設から始めてみてはいかがでしょうか。
ぜひ、IPO投資の知識をこれからの資産形成に役立ててください。